日本結晶学会講習会
タンパク質結晶学の基礎と実際
「ひとりでできるタンパク質の構造決定」
[開催にあたって]
この数年の間にタンパク質結晶学は大きく進展し,従来X線結晶学の専門家のみが行ってきた構造解析が、より広い分野の研究室でも行われるようになってきました.様々な結晶化用試薬キットが市販され,放射光を使って数時間でデータ収集が行えるようになり,様々な解析ソフトウェアも分かりやすいGUI(グラフィックユーザインターフェース)から実行できるようになり,また安価なパソコンであっても,これらの計算を短時間で処理できるほどの能力を持つようになってきています.
X線結晶構造解析の様々な部分が分かりやすいGUIを通してブラックボックス化され,結晶さえできれば,その原理を理解しなくても構造解析に成功する例は増えてきています.しかし,その一方で,せっかくきれいな結晶が得られても構造解析がうまくいかないということをしばしば経験すると思います.こんな時,X線結晶学の基礎をほんの少しだけ知っていれば,あっという間に問題が解決することもよくあるのは事実です.
本講習会では,結晶学の勉強を始めたばかりの方だけでなく,既に構造解析の経験はあるけれども,さらに深く理解したい方々を対象に,X線結晶学の基礎から実際の構造解析に必要な知識を得ることを目指した講義と講習を行います.
また,最新の自動結晶化ロボットや便利ツール、放射光へのリモートアクセスなどを紹介するとともに、実際に体験していただくことも予定しています。
主催:日本結晶学会
後援:大阪大学蛋白質研究所
協賛:(予定 順不同)(有)シバタシステムサービス、株式会社創晶、ファルマアクセス株式会社、プロテインウェーブ株式会社、株式会社ラボ、結晶化学研究会,日本生化学会,触媒学会、日本化学会
日時(予定):2009年11月25日(水) 10:00 – 18:00,26日(木) 10:00 – 16:00
会場:大阪大学蛋白質研究所
〒565-0871 吹田市山田丘3-2
(阪急千里線「北千里」下車徒歩15分,北大阪急行「千里中央」下車 タクシー15分,または大阪モノレール「阪大病院前」下車徒歩20分)
講師:(予定)井上豪(阪大・院工)、栗栖源嗣(阪大・蛋白研)、鈴木守(阪大・蛋白研)、中川敦史(阪大・蛋白研)、禾晃和(阪大・蛋白研)、福山恵一(阪大・院理)、藤橋雅宏(京大・院理)、松村浩由(阪大・院工)、溝端栄一(阪大・院工)、山田悠介(高エネ機構・物構研)、和田啓(阪大・院理)
募集定員:1日目(講義)80名,2日目(実習) 20名 −-いずれも定員に達し次第受付締切-
参加費(講義テキスト代込*,括弧内は受講者のうち実習希望者の参加費):
日本結晶学会正会員・賛助会員1)および指定学会会員2) 10,000 (25,000) 円
同上学生会員1) 7,000 (15,000) 円
協賛学会等会員 12,000(30,000)円
非会員 20,000 (40,000) 円
1) 参加申込同時入会申込可
2) 日本化学会、日本分析化学会、日本薬学会
*講義テキストとして、当日「やさしい原理からはいるタンパク質科学実験法2 タンパク質をみる」(2009年8月刊行)を配布します。