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会長挨拶


2016年度 触媒学会会長
尾中 篤(Makoto ONAKA)
(東京大学)

会長メッセージ

   5月13日の平成28年度第1回理事会において、触媒学会会長に選任されました。触媒学会員の皆様には、この1年間よろしくお願い申し上げます。

   触媒化学は、我々が現代抱えるものづくり、環境、エネルギーにおける諸問題の解決に直結する学問であり技術であることは言うまでもありません。また触媒化学の領域は、物理化学、無機・分析化学、有機化学などの化学分野はもとより、物理学、数理科学なども含む総合科学であり、それ故に多彩な視点から触媒現象を探求できることが大きな魅力の一つでしょう。それ故に、その幅広い視点や興味をもった研究者が集まる触媒学会に少しでも貢献できればと、以下のことを考えています。

   まず、昨年度、永原肇前会長が推し進められた「産・学・官にとって、より幅の広い、より実質的で魅力があり、社会に対してより発信力のある学会に進化する」という方向性を引き継ぎ、特に「より開かれた学会」を目指して、学会からの発信に重点を置きたいと考えます。たとえば、現在年7回開催される理事会では、各理事が管掌する委員会で詰めた内容が報告され、学会事情の変化に適合すべき変更内容を討議し、新たな実行計画を決めています。理事会で今何が議論され、何が決まったかをできるだけ早く会員の皆様にお知らせしようと、学会ホームページのお知らせ欄を拡充し、この春の討論会では「理事会からの報告会」を新たに設けました。これらは好評なので続けて参ります。また、冬には次年度の会長を選ぶ際の信任投票制度も導入します。

   次に、触媒学会の目玉でもある討論会の充実をさらに図ります。討論会は、最新の触媒科学の最新情報を交換する場であると同時に、学生だけでなく、産・学・官の若手研究者を教育する「道場」として捉えてはいかがでしょうか。若い人たちにとって、成果を纏め上げて討論会の場で発表することは必ずしも容易なことではないでしょう。しかし、討論会での手厳しい質問やコメントに対処する経験を積むことは、研究者として育っていくための大事な過程です。研究発表を聞く側も、是非「討論会で若手を育てるのだ」という意識で臨んでいただけるようお願いいたします。

   2018年(平成30年)に触媒学会は創立60周年を迎えます。既にその年の8月に記念式典を行うことが昨年度理事会で決まりましたので、その準備を今年度から進めて参ります。会員の皆様にはいろいろご協力をお願いすることになると思いますが、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。