会長挨拶

2011年度 触媒学会会長
春田 正毅
(首都大学東京 都市環境学部)
ようこそ触媒学会へ! 平成23年3月1日に触媒学会は一般社団法人として登記を完了しました。すでに50年を越す歴史を持っておりますが、法律上の権利と義務を持つ団体として新たな気持ちで日々の活動を見つめ直すと同時に、世界に向けてその役割りと存在感を高めて行くことが大切になってきています。
日本では化学産業の占める割合が高いので、そのエネルギー消費は製造業の中で最も多く、全製造業の34%を占めます。1973年の第一次オイルショックの後、化学産業は50 %以上の省エネルギー化を行い、それを10年で達成するなど、節減量とスピードの点では優等生です。しかし、1980年代からは足踏み状態となっており、さらなる省エネルギー化を進めるには本格的な技術革新が必要になっています。
東日本の地震・津波は概ね15 %の節電と言う形で未だその爪痕を強く残しています。末端利用者の個別の節電工夫は大切ですが、現行の化学プロセスを欲しいものだけを造るプロセスに転換して行く、燃料電池や光水分解などの新しいエネルギー変換技術を開発するなど攻めの技術開発も重要です。このプロセス革新の鍵となるものが、化学反応の速度と生成物を変えることのできる触媒です。触媒学会はこの触媒に関する学術と技術を集積し、社会に送り出す役割を担っております。研究発表会などでの厳しい討論が伝統でしたが、最近では甘くなったとの声も出ています。これは、研究対象が拡がり(化学プロセスから自動車まで)を持ってきたため、扱っている触媒が多種多様であることにも起因すると考えられます。
触媒学会では年2回春と秋の討論会、テーマ別研究会、北の国触媒塾、キャタリシススクール、キャラクタリゼーション講習会、キャタリシスパークなど、最先端の研究開発事情を伝えるものから、実験手法の講習会、子供向け啓発活動などに至る幅広い活動を続けています。年7冊出版される触媒誌には、タイムリーなテーマで特集を組んで、読み応えのある総説・解説を掲載しています。
会員でない人、触媒学会にぜひ入会下さい。新しい知見・研究に繋がる機会が増えます。 会員の人、日頃の活動、ご支援有難うございます。忌憚のないご意見をお寄せ下さい。
